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九星気学みちしるべ
第1回~第10回

第1回
九星と猫たち
気学という言葉を知っている人は多いと思います。九星気学は生まれた年月日時で自分の星を導き出し、その星のもつ特性から運勢傾向を知り、また星と相性のよい方位などを利用して開運しようという占いです。星は一白水星/二黒土星/三碧木星/四緑木星/五黄 土星/六白金星/七赤金星/八白土星/九紫火星の九種類あります。
テキストでは、この九つの星を猫のキャラクターで表現しています。というのも、九つの星にはそれぞれとても面白い性質があり、イメージが近い猫で星の性質を表しているのです。例えば、中央の凄みのあるボスのような猫は「五黄土星」をイメージしたキャラクターです。五黄土星という星は九星の中で最も力の強い星と言われています。とてもパワフルで、どんな困難もチャンスに変えてしまう強さがあるのです。運勢的には苦労することが少なくないものの、それをすべて自分の経験として吸収し、飛躍のバネに変えてしまう...そんな星です。
ちなみに、CDやレコードの「ジャケット買い」のように、この猫たちが描かれた表紙でこの本を手に取った方も多いと聞いています。確かに、かわいいですよね。
さて、九星気学では誰もがこの九つの星のいずれかのもとに生まれていると考えます。あなたはどの星のもとに生まれたのでしょうか。これについてはテキスト P23~35でも詳 しく解説していますが、次回はあなたがどの星のもとに生まれたかを簡単に知る方法を解説しましょう。
浜田 優子


第2回
簡単な計算で本命星を知る方法
テキストP23~35で本命星の調べ方について詳しく解説していますが、それとは別に簡単な計算式で導き出す方法をご紹介しましょう。
1989年に生まれた人を例にします。まず、西暦の4桁の数字をすべて一桁になるまで足していきます。例の場合だと1、9、8、9をすべて足すと27になり、これをさらに一桁になるように足すと2+7=9となります。最後に「11」から、先ほど計算結果で得た9を引きます。この「11」は決まった数です。すると、11-9=2となり、この2と九星の名称の漢数字が一致する星が本命星になります。2を名称に含んでいるのは二黒土星ですから、1989年生まれの人の本命星は二黒土星ということになります。
ただし、九星気学では年の切り替わりを通常の1月1日ではなく2月4日前後の立春としていますから、2月の月初めに生まれた人は注意が必要です。2月の立春より前に生まれた人の場合は前年の1988年の生まれになります。
本来、九星気学を学ぶ上で年、月、日、時の境についての基礎知識が必要不可欠なのですが、実はこのことについて詳細に解説している本は多くありません。その点、本テキストは丁寧に解説しています(P26~35)。これから九星気学をしっかり学びたい方にとても役立つ本と言えるでしょう。
生まれた年の立春がいつなのかは、インターネットで公開されている暦や市販されている万年暦等で知ることができます。
浜田 優子


第3回
本命星が同じなら運命も同じ?
運勢傾向や性格を表す本命星ですが、生まれた年によって決まるため、よく「同じ年生まれの人は全員同じ運命になるの?」という質問を受けます。答えは「NO」。本命星が同じでも、環境など後天的条件が異なるため同じ人生は辿りません。また、九星気学で細かく個人を占う場合は月命星や日命星といった、生まれた月や日による九星の影響も加味しますし、「傾斜法」という優れたテクニックも使います。傾斜法は性格や運勢傾向はもちろん、人生における長所と短所がはっきりわかるのが特徴的です。傾斜法については、テキストP178~201で詳しく解説しています。
傾斜法は基本的に本命星と月命星を使って占います。〔※〕例えば三碧木星が本命星、六白金星が月命星の人は、テキストP180にあるように「坤宮傾斜」となります。“坤”には母親、温厚、控えめといった象意(意味)があるので、本命星の三碧木星が持つ快活で行動的といった特徴とは別に、謙虚でおとなしいといった性格が加わります。また、月命星が六白中宮の人は、生まれた月の月盤が六白中宮になります。その月盤では「巽」と「乾」の方位が五黄殺、暗剣殺に当たるので「巽」の意味するコミュニケーションや結婚、「乾」の意味する事業や目上との関係が人生において弱点になりやすいことがわかるのです。テキストP188にこの例の人の傾斜法による長所と短所が載っていますが、このような原理で総合的に判断しています。(※ 実際は日命星も使ったりもします。)
浜田 優子


第4回
「水」の五行が表すもの
テキストでは最初に「五行」について解説しています(P16)。五行とは、異なる性質と働きを持つ木、火、土、金、水の5つの要素が作用し合ってこの世のすべてを形作っているという考え方です。これが、一白“水”星、二黒“土”星というように九星の名称に入っているのです。普段の生活では馴染みのない概念ですから、はじめて五行について知る人にとってはとても新鮮に感じられるかもしれません。
五行の「水」は実際の水を示すものではなく、水のような性質と働きを持つものと考えるとよいでしょう。例えば水は高い方から低い方へ流れていきますから、五行の「水」は下へ向かうという性質をもつものということになります。また、“下”は地下など暗い場所を思い起こさせるので“暗い”“冷たい”“深い”“重い”という性質でもあり、その働きは“冷やす”“隠す”“重さで押しつぶす”などということになります。そこからイメージを拡大すると“冬”“苦労”“耐える”“穴” “秘密”というものが思い浮かぶでしょう。このように、水と関連性のあるすべてが五行の「水」とつながるのです。一白水星の名称には「水」が入っていますから、この星は「水」のような性質と働きがあるということになります。テキストのP245に「一白水星の象意」が載っていて、この星のイメージと重なるものがまとまっています。しかし、「水」のイメージは広く、時と場所、人によっても異なりますから、決まってはいません。テキストにあるのはほんの一部。どんなことが五行の「水」と一白水星に当てはまるのか、自由に考えてみましょう。
浜田 優子


第5回
八卦と五黄土星について
気学には九つの星があります。九星にはそれぞれに九つの性質や特徴があります。これを象意と呼び、自然現象を九星の性質や特徴をにあてはめ、現象や人物、物事の特性を知ることができます。九星の象意を知ることで、個人の性質や傾向、方位を使用した際にどんな効果があらわれるのか分かるのです。
それと、九星の象意と切り離すことが出来ないのが、八卦です。八卦は森羅万象を司る自然現象を八つの方位と要素に分けて、おのおの定められた意味があります。九星と八卦の象意は対応しています。一白水星は坎、二黒土星は坤、三碧木星は震、四緑木星は巽、五黄土星は中央をあらわしており、八卦には対応せず、続いて六白金星は乾、七赤金星は兌、八白土星は艮、九紫火星は離、というように対応しています。九星の象意を覚えると八卦の象意も覚えることになるので、一石二鳥です。東洋の占いについて知識を深めたい方は覚えていて損はないでしょう。
九星の中で八卦に唯一対応していない星が五黄土星で、中央に定位する特別な星とされています。五黄土星は、破壊と再生、闇から光を生み出すような激的な変動をあらわすので、他の九星とは違い、強烈なパワーと極端さ、極限の状況を象徴しています。あまりにも強すぎるので、五黄土星が回った方位は「五黄殺」と呼ばれ、凶方位になってしまうのです。
あまりにも強すぎて使いこなすのが難しくありますが、旧いものを終わりにして、新しいものを生み出すエネルギーを意味するので、途方もない発展力を秘めていると言えるでしょう。
九星の象意や八卦について詳しくはテキストで解説していますので、そちらを参考ください。
鈴木 禮


第6回
象意のイメージをふくらませてみましょう
象意はこの世に存在する様々な事柄をあらわします。人の性格や運勢、物事や現象、季節や天候などあらゆることが象意になります。
吉方位の出し方を知っていたとしても、象意を知らなければ、どんな効果があるのか分からずに、間違った使い方をしてしまう可能性があります。家族や恋人との相性をみるときに、誤った判断をするかも知れません。
ですので、象意の意味はしっかりとおさえておくのが重要だと言えます。
九紫火星の象意は熱い、太陽、明るい、火、学問、芸術、名誉、頭、などがあります。このキーワードからイメージ出来る事柄が象意になるのです。
例えば、九紫火星の象意からどんな性格かイメージすると「熱い」から情熱的、熱血的、テンションが高い、「太陽」から陽気、前向き、目立つ性格、「学問」から頭が良い、教養がある、知的な性格など象意から意味をイメージしていくことができます。
同様に九紫火星の象意からどんな場所かイメージすると、「熱い」から人気のある場所、南国、温泉、「頭」から、美容院、脳外科病院、試験場などイメージできます。このように様々な事柄にあわせて象意を膨らませて考えることで、漠然と象意を覚えていくよりも着実に身に付いていくと思います。
他の九星の象意と似ていたり、近い意味もあるので、注意しましょう。例えば、三碧木星は「伸びる、発展、新しい」をあらわしますが、八白土星は「変化、革新、終わりと始まり」をあらわします。
九紫火星は「頭」をあらわしますが、七赤金星は「口」「歯」をあらわします。
詳しくはテキスト245ページ〜249ページに象意について載っていますので、お役立てください。
鈴木 禮


第7回
本命星と月命星と五行の関係
九星気学で人の性格や才能、運勢の特徴を知るためには、生まれた年と月の九星を知る必要があります。生まれた年の九星を本命星と言い、生まれた月の九星を月命星と言います。
月命星も資質や運勢を読みとく上で大切ではありますが、本命星が主で、月命星は副次的なものとして認識しておきましょう。
全体的な性質は本命星で、月命星の要素は本命星の中に混ざっていて、時折月命星の要素があらわれる印象です。
自分の本命星、月命星が分かると、長所と短所や運気、吉方位を知ることが出来るので、人生の重要なヒントになります。
相性や吉方位を出す際に重要になってくるのが、五行の理論です。五行は木、火、土、金、水があり、それぞれに相性があります。
五行は九星に対応しており、木の九星は三碧木星と四緑木星、火の九星は九紫火星、土の九星は二黒土星、五黄土星、八白土星、金の九星は六白金星と七赤金星と分けられます。
一方の五行が一方の五行を生み出す相生、同じ五行の関係の比和、一方の五行が一方の五行を剋す相剋があり、九星も五行同様に影響を与え合います。
例えば、三碧木星と四緑木星は同じ木の五行なので比和の関係です。三碧木星と一白水星は水から木を生み出すので、相生の関係になります。三碧木星と七赤金星は金が木を剋す関係なので相剋になります。詳しくはテキストで解説していますのでご覧ください。
余談ですが、本命星と月命星が相生、比和の関係だと月命星の性質が素直にあらわれやすい様な気がします。逆に本命星と月命星が相剋関係ですと、複雑な内面になるかも知れません。
鈴木 禮


第8回
吉方位と凶方位について
九星気学は吉方位を使って開運をする方法があります。吉方位とは自分の本命星と相性の良い方位のことをいいます。吉方位へ出かけることで、良い気を取り入れて運気を上げるのです。吉方位を出すときに、五行の相生、比和、相剋関係と凶方位の出しは必要になってきますので、押さえておきましょう。
吉方位は自分の本命星と相生、比和の関係にある方位のことを言いますが、本命星と月命星にとって相性の良い方位のことを最大吉方位と言います。本命星だけでなく月命星にとっても吉方位なので、本命星のみの吉方位より開運効果がさらに増して、効果は強力になります。できるだけ有効に使いましょう。
せっかく吉方位を出しても、調べてみると凶方位かもしれませんので、注意が必要です。特に「破」と「対冲殺」はつい忘れてしまったり、うっかり出し間違えに気をつけましょう。
吉方位の開運効果といっても、様々です。どんな効果を得たいのか、じっくり考えてから、吉方位に出かける計画を立てると良いでしょう。
ちょうど使えそうな吉方位があったとしても、望んでいる効果と全く違った効果なら、使わない方が良い場合もあるかも知れません。
吉方位の効果、目的についてはテキスト147ページ〜170ページに解説がありますので、お役立てください。
例えば、今の仕事や人間関係を長く続けたい、土台を固めていきたいなら、二黒土星の吉方位が適しています。二黒土星なら安定した基盤を築く。地道な努力が報われる。物事が着実に進んでいく。といった効果を得ることができます。
日々の生活に無理の無い範囲で吉方位を取り入れてみましょう。
鈴木 禮


第9回
「木」の五行が表すもの
「木」の五行ことがわかると、おのずと「木」の五行に属する三碧木星と四緑木星のことがわかります。テキスト17ページのイラストにあるように、「木」は草や樹木に象徴されるような性質と働きを持つ五行であり、そこから連想できることが象意になります。三碧木星と四緑木星について学習する際は、まずこの「木」の五行から始めるのが近道でしょう。
樹木も草も発芽して根を張り、幹や茎を太くし、枝を広げ、葉を茂らせてさらに大きく高くなろうとしますから、「伸びる」「成長する」「広げる」という働きや性質があるのがわかります。そして、これが「木」の五行の象意になります。事象に当てはめれば「発展する」「向上する」となり、心理に当てはめれば「向上心」「一番になりたい」などとなります。また、根や枝を伸ばしていく様子から「拡大」「展開」、生物であることから「生き生きした」「生命力」「環境の影響を受けやすい」など、さまざまに連想出来るでしょう。
象意というのはこのように考えるのですが、人によってイメージは異なり、時代によっても変わってきますから決まりはありません。九星気学関連の書籍で紹介されている象意はあくまで一般的なもの。それに囚われないことが大切です。自分なりに象意を膨らませていくことこそ、九星気学を自在に使う為の鍵だと言えるでしょう。
ところで、テキストの44ページや巻末にある三碧木星と四緑木星の象意を見ると、同じ「木」の五行の九星でも象意が異なっているのがわかります。これは、さらに“八卦”というものの影響が加わる為で、次回はこのことについて解説しましょう。
浜田 優子


第10回
三碧木星と四緑木星の違い
「同じ「木」の五行に属する三碧木星と四緑木星ですが、それぞれの象意には共通する部分と異なる部分があります。「木」の五行の性質や働きという部分では共通していますから、「生き生き」「活発」「発展」「伸びる」「成長」「向上心」……といった部分は同じです。異なる部分は、テキスト44ページに載っている「九星のイメージ」を読むとわかるのですが、三碧木星は成長著しい若木に例えられ、四緑木星は成長した木に例えられています。この違いは何でしょうか。
これは、「八卦」というものによる違いです。八卦とは、森羅万象を形作ると考えられている乾(けん)・坤(こん)・離(り)・兌(だ)・巽(そん)・震(しん)・坎(かん)・艮(ごん)の八つの要素のこと。乾は天、坤は地、離は火、兌は沢、巽は風、震は雷、坎は水、艮は山を表し、それぞれ五黄土星以外の九星に対応しています。(五黄土星は八卦を生じる根源の“太極”にあたると言われています。)この八卦の“震”が三碧木星に、“巽”が四緑木星に対応します。三碧木星の「音」という象意は震の雷の音(雷鳴)に由来し、震は他に朝日が昇る方角である東や春を表すので、朝の真新しい光が差すイメージ、春に生物が活発に動き出すイメージの「新しい」「始まり」「動く」という象意が三碧木星に加わるのです。巽は「風」の他に東南、初夏を表します。四緑木星の「さわやかさ」は初夏のイメージから、「信用」という象意はどんな隙間へも入っていく風のように、人の心にも入っていける巽の性質に由来します。同じ「木」の五行の星でも違いは、対応する八卦の違いなのです。ですから、八卦の学習は九星気学にとても役に立つでしょう。
浜田 優子
