九星気学みちしるべ
第11回~第20回

第11回
占いの上達には象意が鍵
九星が表す事柄のことを「九星の象意」と呼びます。もともと“象”という漢字は「目に見えるすがた・かたち」を、“意”は「物事に込められた内容」を表すので、「すがた・かたちに込められたもの」が象意だと言えるでしょう。ですから、「九星の象意」とは様々な姿や形、現象の中に目に見えない九星が込められているということを意味するのです。
九星はこの世のすべてを九つに分けたものですから、私たちは身の回りのどんなことからも九星を感じ取ることが出来ます。例えば入れたての緑茶を前にした時、“緑色”から三碧木星や四緑木星が思い浮かぶでしょう。また、“熱さ”から九紫火星、“日常的”なものとして二黒土星など、ひとつのものにいくつもの九星を感じ取ることができ、感じ取ったすべてがそれぞれの九星の象意となります。物事にはいくつもの面が備わっていますから、ひとつの事柄と九星は一対一の関係ではありません。さらに時と場合によって感じ方が違えば象意もおのずと変わってくるでしょう。このことは占いをする上で非常に重要で、このブログで繰り返し述べているのはこの為です。象意は書籍に載っているキーワードを暗記するものではなく、自分で感じて掴んでいくものなのです。そうでないと、応用が利かずに行き詰ってしまいやすくなってしまうでしょう。テキスト245ページ~249ページに載っている九星の象意のキーワードからは、それぞれの雰囲気やニュアンスを掴むとよいかもしれません。自分で感じて掴んだ九星の象意は、その九星の“気”でもあります。その“気”を利用して開運したり、占ったりするのが九星気学ですから、象意を理解することは九星気学の核心なのです。
浜田 優子


第12回
目的と一致する象意で吉方位選びを
吉方位へ出かけたり、吉方位で何かしたりすることで運勢的な吉効果を得ることを、よく「吉方位を使う」と表現することがあります。吉方位を使うには、予め自分にとっての吉方位を知っておく必要があるのですが、吉方位であれば何でもよいというわけではありません。大事なのは「目的に合った吉方位」であるかどうかです。
例えば本命星が二黒土星の人の吉方位は、本命星と相性のよい六白金星、七赤金星、八白土星、九紫火星が回る方位ですが、このうち開運目的と合致する象意を持つ九星の吉方位を選ぶ必要があります。勿論、どの吉方位を使ってもそれなりに開運効果は期待出来るのですが、目的に合った吉方位でないと効果を実感しにくいということがあるのです。目的に合う象意を持つのがどの九星なのか知りたければ、テキスト245ページ~249を見ましょう。そこから最も目的に近い象意をもつ九星を選べばよいのです。「恋人が欲しい」「すてきな恋愛がしたい」というのなら、“ロマンス”や“楽しみ”を象意に持つ七赤金星でしょう。本命星と相性が悪い場合は、九星の定位置の方位が吉方位になるタイミングが有効です。例えば、本命星が九紫火星の人は相性のよくない七赤金星ではなく、西の吉方位を使うのです。また、自分に自信がないとか、好きな人に積極的になれずチャンスを逃してしまっているような場合は、まずは目的を「積極的になる」「自信が持てるようになる」というように設定して、積極性や自信という象意を持つ九星の吉方位を選ぶとよいでしょう。それと並行するように七赤金星や西の吉方位を使うと非常に効果があるはずです。
浜田 優子


第13回
方位盤の種類と吉方位
気学方位盤は、八つの方位と中央をあわせた九つの宮を定められている順番に従ってめぐっています。この九つの宮にはそれぞれ決まった九星と宮があります。一白水星は坎宮で方位は北、二黒土星は坤宮で方位は南西、三碧木星は震宮で方位は東、四緑木星は巽宮で方位は東南、五黄土星は中央(中宮)、六白金星は乾宮で方位は西北、七赤金星は兌宮で方位は西、八白土星は艮宮で方位は東北、九紫火星は離宮で方位は南という具合に定められています。
中央の場所を中宮と呼び、中宮に回った九星は「中宮の九星」になります。中宮の九星は全方位に影響力を持ち、支配します。
気学方位盤は年盤、月盤、日盤、時(刻)盤の四種類あります。その年の吉方位を調べるには年盤を使い、その月の吉方位を調べるには月盤を使い、その日の吉方位なら日盤、その時間の吉方位なら時(刻)盤という具合に分けて使用します。
方位には吉方位があり、本命星と相生、比和の関係の相性の良い九星が在宮している方位のことを言いますが、本命星と月命星の両方にとって相性の良い九星が在宮している方位を最大吉方位といいます。吉方位も開運効果は十分にありますが、最大吉方位は吉方位以上の抜群の開運効果を得ることができるのです。見つけたら、使わない手はありません。
事前に最大吉方位の時期を調べておき、引っ越しや旅行など予定を最大吉方位の時期にあわせて計画を立てておくと良いでしょう。自分の希望や願いと最大吉方位の九星の効果が適している事も大切なことなので、しっかり把握しておきましょう。
詳しくはテキスト89ページ〜176ページと第三章に載っていますので、そちらを参考ください。
鈴木 禮


第14回
凶方位について
よくない現象や不運なことが起こる方位を凶方位といいます。凶方位も吉方位と同様に、年盤が最も強い効果があり、次に月盤が強く、日盤、時(刻)盤と効果に強弱があります。
凶方位は七種類あり、それぞれの凶方位に特徴があります。順番にふれていきましょう。
①五黄殺は九星方位盤の中で中宮をのぞく八方位に五黄土星が在宮する方位のことを言います。
五黄殺はゆっくりじわじわと内部から腐って崩壊していくようなあらわれ方をします。精神的にダメージを受けるのも特徴です。自ら不運を招き、盗難や病気、事故に注意が必要です。
②暗剣殺は①の五黄殺の正反対の方位のことを言います。暗剣殺は思いがけない所から、突然剣を振り降ろされるようなトラブルに遭遇することを意味しています。事故や病気などの突発的なアクシデントに見舞われやすいので注意が必要です。五黄土星が、中宮に在宮するときは暗剣殺はありません。
③破(歳破、月破、日破、時破)は今の年、月、日、時刻を表す十二支の正反対側の十二支のことを言います。例えば寅の十二支の方位の反対は申です。寅は東北ですから、正反対の南西の方位が破になり、凶方位となるのです。争い、離別、破局など、互いが背きあい、厄介な問題や、物事が破れる現象が起こります。特に人間関係に注意が必要です。
④本命殺は自分の本命星の九星が在宮している方位のことを言います。自分が強く出すぎてしまい、やり過ぎたり、判断を誤ったり、墓穴を掘りやすいです。健康面に悪影響が出やすくなります。本命星が中宮に在宮しているときは、本命星はなくなります。
詳しくはテキスト105ページ113ページを参照ください。
鈴木 禮


第15回
凶方位について2
前回に引き続いて凶方位についてふれていきます。吉方位も大切ですが、災いを避けるには、凶方位を知っておく必要があります。なるべく凶方位の出し方は覚えておきましょう。
⑤本命的殺は本命星(本命殺)と正反対の方位のことを言います。自分の招いた行動が原因で自ら首を締めることになったり、自分の行動が仇となって結果、自分を追い込むことになります。思惑が外れ、見込み違いになることが多いです。
本命星が中宮に在宮しているときは本命殺と同様に、本命的殺もありません。
⑥対冲殺は後天定位盤の定位置から見て、反対側に回った九星の方位のことをいいます。
対冲殺は元々の九星の定位と正反対に在宮しているので、背き合う形になり、九星の良さがあらわれにくく、苦労が増えます。ものごとが滞り、困難に遭遇しやすくなります。各九星には定められた位置があります。元々定められた盤を後天定位盤と呼びますが、覚えておいた方が良いでしょう。
⑦小児殺は子供にだけ影響がある凶方位です。小児殺は月盤のみに適用されるので、その子供の本命星とは一切関係なく、毎月行動してはいけない凶方位が決まっていることになります。小さい子供であるほど小児殺の影響を受けやすくなります。子供が体調を崩したりケガをしやすくなるので、注意が必要です。
これまで七つの凶方位についてふれてきましたが、吉方位に凶方位が重なることはしばしばあることですので、寧ろ凶方位をきちんと把握しておく方が重要かも知れません。詳しくはテキストの第三章と第四章をご覧ください。
鈴木 禮


第16回
凶方位に出かけるときの注意点
凶方位は吉方位と同様に年盤、月盤、日盤、時(刻)盤の順番に効果の強弱があります。特に年盤や月盤の凶方位は使わないように避けたい所です。ですが、どうしても凶方位に出かけなくてはならない時もあるかと思いますので、予防策について取り上げようと思います。
まず、どんな凶方位現象が起こるのか調べておいて、効果が現れる期間中は注意をすることが大切です。凶方位の九星があらわす事象に気をつけておきましょう。
例えば暗剣殺の二黒土星ですと、暗剣殺は他動的なアクシデントや思いもしない所から突発的なトラブルが起こることを意味していますが、二黒土星の象意と組み合わせると、トラブルに見舞われ努力が報われにくい、仕事で面倒なことに巻き込まれる、母、妻、目上の女性絡みの厄介な問題が起こるなどの凶現象が考えられます。このようなトラブルを回避するには何に気をつけるべきか考えてみましょう。
周りの人間関係に配慮する、問題を起こしそうな相手とはなるべく関わらない、相手の立場を考えて発言するなど意識した方が凶現象を予防できると思います。ですが、自分の力で回避していくのは難しい場合もあるかと思います。
その様な場合は前もって吉方位にある神社やお寺で方災除けの祈願をするのも良いでしょう。
吉方位に旅行に行き、パワーチャージしに行くのも一つの手だと思います。吉方位が九紫火星だとすると、九紫火星の象意に関係することを取り入れる方が効果的でしょう。
食事するなら、燻製料理、エスニック料理や洋食など、場所なら美術館や博物館、エステなどが良いでしょう。詳しくはテキスト第三章と第四章をご参考ください。
鈴木 禮


第17回
同会法と2023年の運勢
テキスト第六章(P203)では、「同会法で年運を占う」という内容について書いています。同会法とは複数の九星気学方位盤を重ね合わせて占う技法のことで、用途が幅広く年運や月運、日運を占う際にも使用します。年運を占う場合は後天定位盤と年盤を重ねて、占いたい年の年盤上で本命星が後天定位盤のどの九星と重なるかを見て運勢を判断します。月運が知りたい場合は年盤と月盤を重ね、月盤上の本命星が年盤のどの九星と重なるかを見ます。日運なら月盤と日盤を重ねます。
実際に例を挙げましょう。テキストの巻末にも載っていますが、2023年の年盤は四緑中宮の盤となります。仮に本命星が三碧木星だとすると、2023年の年盤では三碧木星が東南にいます。後天定位盤で東南は四緑木星の定位置ですから、本命星は東南で四緑木星と重なり、この年は四緑木星の影響を受けることになります。四緑木星には「風」という象意があり、「整う」「連絡」「取引」「遠方」「結婚」「広がる」といった象意の風に関連する出来事が起こると考えます。テキストでは全体運や愛情運、仕事運など具体的に解説していますので興味のある方はぜひお手に取って読んでみてください。P209~は本命性別の運勢バイオリズムも掲載しています。
厳密には、重なる九星との相性を考慮する場合もあるのですが、そこまで考えなくてよいでしょう。しかし、暗剣殺と破は必ずチェックしてください。2023年の年盤では東南が暗剣殺になりますから、三碧木星の人はこの影響も受けることになります。
さて、次回から数回に分けて2023年の本命星別の運勢をお伝えしようと思います。
浜田 優子


第18回
2023年の運勢 一白水星~三碧木星
前回は同会法で年運を占う方法についてでしたが、今回は実際に本命星が一白水星~三碧木星の人の2023年の運勢を占いましょう。テキスト第六章P212~に詳しく載っていますので参考にしてください。
《本命星が一白水星の人》 本命星が二黒土星と同会。運勢は昨年より上向き、地道に努力を重ねることで運が開けます。2024年から発展期に入るので、今年はその為の土台作りや種まきに。結果を急がず、焦らず行きましょう。世話をしたり裏方に回ったりすることも増えますが、それを積極的に引き受けると幸運が訪れるでしょう。健康は運動不足や胃腸関係に注意。金運は節約志向でお金が貯まりそう。愛情面は寄り添う姿勢が相手の心を掴みます。
《本命星が二黒土星の人》本命星が三碧木星と同会。運勢は急上昇。意欲が増していろいろなことにチャレンジできそう。発展の一年でもあるので、新規に何かを始める、事業を拡大する、アイデアを実行に移すといったことはすべて吉。何事も積極的に出るとよいでしょう。ただ、多忙になるので働き過ぎや不注意によるケガ等に注意が必要。金運は出費がかさむ傾向です。愛情面は新しい恋や出会い、進展が期待できるでしょう。
《本命星が三碧木星の人》本命星が四緑木星と同会、暗剣殺の影響も。これまでの努力が実り、状況が整う時。人との交流が活発になって人脈が広がりそう。ただし、どんな相手か見極めないと思わぬトラブルになる可能性が。また、何かと迷って決断できくなる心配もあるので、しっかり自分の考えを持つようにしましょう。愛情面は結婚などうれしいことがある反面、問題も発生しやすく注意が必要。金銭面は交際費が増えそう。
浜田 優子


第19回
2023年の運勢 四緑木星~六白金星
前回は本命星が一白水星~三碧木星の人の2023年の運勢を同会法で占いました。今回は四緑木星~六白金星の人を占いましょう。テキスト第六章P212~に詳しく載っていますので参考にしてください。
《本命星が四碧木星の人》 本命星が中宮(中央)を定位置とする五黄土星と同会します。基本的にこれまでの生き方の結果が出そう。強運ではありますが、良い面と悪い面が両極端に出やすく、愛情、仕事、健康などすべての面で振り幅が大きくなるでしょう。強気になるあまり何事もやり過ぎてしまう傾向もあります。古い問題が再発する可能性もありそう。冷静かつ慎重でいることが開運のポイントです。
《本命星が五黄土星の人》 本命星が六白金星と同会。パワーに溢れて活動的になり、公私とも非常に多忙な一年になりそうです。特に仕事運は好調で目上からの引き立てや昇進の可能性が。向上心も強まり、努力を惜しまず目的に向かって行けるでしょう。さらに金運は仕事や活動の収入増が見込めそう。ただ、気持ちが外に向かうあまり愛情面がおろそかになりがち。忙し過ぎて健康を損なう心配も。休む時は休み、オンとオフのメリハリをつけるとよいでしょう。
《本命星が六白金星の人》 本命星が七赤金星と同会、歳破の影響も。比較的落ち着いた運勢ですが、出会いに恵まれて恋愛や結婚のチャンスが増えそうです。食事やイベントに誘われたり、外出したりする機会も大幅アップ。しかし、兎角遊びや楽しみに流されて仕事や勉強がおろそかになる心配が。やるべきことをしっかりやるようにしましょう。金銭面は悪くないのですが、無駄使いが増える傾向。しっかり管理を。健康面は呼吸器系塔、口や歯に注意。
浜田 優子


第20回
2023年の運勢 七赤金星~九紫火星
前回は本命星が四緑木星~六白金星の人の2023年の運勢を同会法で占いました。今回は七赤金星~九紫火星の人を占いましょう。テキスト第六章P212~に詳しく載っていますので参考にしてください。
《本命星が七赤金星の人》 本命星が八白土星と同会。様々な変化が起こる一年になりそうです。順調に行っていたことでも方向転換を余儀なくされるようになりそうですが、状況に応じて変わっていくとさらに発展するでしょう。また、変化を目の当たりにして守りの気持ちも強まるため、備えや貯蓄に関心が向きそうです。愛情面では縁に恵まれなかった人にチャンスが。紹介や再会で恋愛や結婚に至りそう。健康面は腰痛や持病の悪化に注意。
《本命星が八白土星の人》 本命星が九紫火星と同会。九紫火星の“火”の作用によって隠れていたことが表面化します。良いことも悪いことも明らかになりそう。勢い盛んな運勢ですが気分の浮沈が激しく、すぐに飛びついては離れるというようなことになりがち。とはいえ、仕事や学業は基本的に好調。頭脳が冴えて活躍でき、能力や才能が認められたりしそうです。勢いに任せず、丁寧かつ慎重に行けば順調でしょう。健康面は目や心臓、精神目に注意。
《本命星が九紫火星の人》 本命星が一白水星と同会。一白水星の“水”の作用によって不活発で停滞する運勢です。例年と比較して苦労や悩みが多い忍耐の年に。しかし、冬の後に必ず春が訪れます。希望をもって最善を尽くしていれば来年以降の発展期に花開くでしょう。再出発の暗示も。愛情面は好調で大切な人と親密度が増します。また、研究など何かを深く追求することはすべて幸運。健康面は冷えや病気の慢性化に注意。
浜田 優子
